企業同士の競争は、激しいものがあります。20代前半で起業した私は、小さな事業から多店舗化することで競業他社に対抗し、競争を勝ち抜こうと考えたことがありました。しかし、自社の規模を大きくすることが唯一の方法ではないと気付きました。同レベルの攻防で自身の時間や労力を浪費したくなかったので、別の方法で対抗することにしました。
私が採用した作戦は、コツコツと、資金を増やすことと、品質を上げることに専念することでした。この方法は、自身のリソースを浪費することなく、着実に成果を出すことができます。同業者が短絡的な攻撃を繰り返してきたとしても、私たちは見えないところで相手を飲み込むくらいのものを作り上げていったことで、あの手この手と繰り返される姑息な攻撃を軽くかわせるようになりました。
その後、いつでも、様々な対抗手段で打って出れる態勢になった頃には、既にその必要もないゆるぎない基盤ができているので、不当な攻撃を仕掛けてくる競業他社が、やりすぎたり、疲弊していくのを、高みから見物していればいい状況に持ち込めています。
この戦略は、「戦わずして勝つ」方法の一つです。自分自身のリソースを最大限活用し、着実に成果を出すことで、長期間かけて作り上げるものなので相手には対抗手段がありません。細々した攻勢に振り回されるのではなく、自分の目的に向かって着実に歩んでいくことが重要です。
激化する企業同士の競争に、より規模を大きくしたり、同様な手段で対抗するといった手法でリスクを増大させるのではなく、少し視点を変えた戦略的なアプローチを取ることで、競争相手を引き離し、成功を収めることができます。